こんにちはryoです。
前回の続き、紆余曲折ありながらもファッション系の専門学校の四年生に進級出来た僕。
ここでまた転機が訪れます。
説明し忘れてましたが、一年生の時点ではクラスは4クラスに分かれていました。
人数が多いので、まず時間帯をずらしての2つと、さらにそれを2クラスに分けて最初は確か4クラスありました。
そこから一年はファッションに関する基礎的な事、ファッションの歴史、用語、洋服の構造の理解、生地の種類、デザイン画の描きかた、パターン用紙の引き方、などを学び
二年に上がる時点でもっと細かい分野に自らが選び分かれます。
・ファッションデザイン
・ファッション技術(パターン作成、縫製)
・ファッションビジネス
・服飾(バッグ小物などのデザイン制作)
・スタイリスト
などが主だったと思います。
その中で僕はファッションデザイン学科を専攻していました。
ファッションデザイン学科が最も人数が多く、その中でまた2クラスほど分かれていたのですが、人数合わせのためかデザイン学科の少数人数がなぜかビジネス学科と一緒のクラスに組み込まれ、、、今思えば謎なんですけど、大人の事情なんでしょうか。その中に僕は入っていました。
全く違う分野の学科と一緒に授業を受ける事になったのが、精神的に落ちていた三年生の時の事です。
やはり一緒に同じ志を持っているというのはかなり重要で、思想が全く違う学科だったのでそれも僕が精神を病む一つの原因だったんですが
今思えば、あの頃は本当に未熟だったので。
自分がもっと大人だったらとか、色々思うけど。
本当に楽しくなかった。
デザインするのが好きな人たちともっと関わりもって、刺激しあって一緒に勉強したかったし作品作りたかった。というのが本音です。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
四年生に進級して、念願の「純」ファッションデザイン学科にクラスが編成されたのです。
そこに僕も入っており、ここから少し話が脱線しますが
そして、そこには僕が一年生の時から憧れてた、絵の上手な「彼女」がいました。
その子は、絵だけでなく存在そのものが独特で。
不思議なオーラをまとっていました。
僕の印象としては背は160cm代で、髪型はボブ、色は黒だったり、いきなり金髪になったり、青になったり。
ファッションは、Jane Marpleというクラシカルなかわいらしいでも上品なブランドの洋服。Cath Kidstonという花柄が有名なブランドのカバン。
学校指定のではない、大きなポートフォリオをぶら下げ歩く姿は独特で、僕だけでなくみんな一目置く存在だったと思います。
僕も彼女に憧れて金髪にしたり、ポートフォリオを買ってみたり、、、今思うと気持ち悪いですね(笑)
ですがそんなカリスマ性が彼女にはありました。
どこから来てどこに行くのだろう、そんな儚さや非現実的な存在感が彼女にはありました。
僕が彼女と初めて関わりを持ったのが、10年経った今でも覚えてるのですが。
教室というのは、あらかじめ決められた座席表というのがあり、みんな自分の名前を確認して席に座るというシステムになっていました。
僕と彼女の名字の頭文字は「カ」「タ」で決して隣あってはいなかったのですが、その日なぜか隣か近くの席になり僕は内心ドキドキしていました。
そう、僕は彼女のファンになってしまったのです。
一続きの長方形のテーブルだったので、荷物を横に置くと割とスペースがなく、先に座っていた僕の後に彼女が来て一言
「すみませぬ。」
と声をかけたのです。
す、す、すすみませぬ???
普通の女子の言葉遣いではないですよね。
やはりこの子は普通とは違う!その時僕はそう思いました。
そのあとは別に喋る事もなかったのですが、その時は確かデザイン画の授業で
近くでみる彼女は一体どんな風にして絵を描くのだろうと、僕は興味津々でした。
本当にうまい。
もうそれに尽きるんですが。
すごく嬉しかった記憶が微かにですがあります。
まるで憧れの漫画家の仕事風景を覗いてるかのような、、、
そしてなぜか僕は彼女と徐々に関わりも持つようになり、(きっかけは覚えていませんが)共通点としてあったのが
「椎名林檎」が好きということ。
当時僕は二年生だった頃、思いたったように椎名林檎を聴きたくなりレンタルしライブDVDを買い聴きまくっていました。
そこで話が合うようになり、めちゃくちゃ仲良くなったわけではないけど、憧れの彼女と関わりを持つようになりました。
彼女はライブに行った時のステッカーをくれたり、自分のオススメのアーティスト「倉橋ヨエコ」を僕に貸してくれたり。
不思議だけど本当にいい子なんだなと感じました。
素直に嬉しくて、四年生の時は学校が楽しかったです。
けれどそれも束の間
彼女はあと少しで卒業という時に学校を辞めることになったのです。
僕は当時、なんで辞めるのか聞いたと思うんですが
これも記憶が定かではないのですが、こんな事を言っていたように思います。
この学校に来たらもっとおもしろい人がいると思ったけど、想像と違った。
そう、彼女以外で独特とか個性が抜きんでた人はいなかったのです。ファッションだけでいうと、ですが。
確かにオシャレな人はいました。でもただそれだけ。
彼女のように独特な存在感を放つような人は確かにいなかったのです。
僕はとても残念な気持ちでした。
そして彼女がどんな風になるのか、それを見てみたい自分がいました。
ですがその前に彼女はこの学校から去ってしまったのです。
つづく
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